(管理人)
ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(3分でサクッと読める内容)となります。
本日のお題 :
クラウドアクセスを制限するために、Rouer_BのGi0/0(Inbound)にACL(100)を実施したところ、NWが全断する事象が発生した。本件の解決策を答えなさい。(解答を1つ選択)
- A : acl追加 =100 permit ip any host 224.0.0.5
- B : acl追加 =100 permit ip any host 224.0.0.9
- C : acl追加 =100 permit ip any host 224.0.0.10
- D : acl追加 =100 permit ip any host 224.0.0.13
Router_A コンフィグ
hostname Router_A
!
interface Loopback1
ip address 1.1.1.1 255.255.255.0
!
interface GigabitEthernet0/0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
duplex auto
!
router eigrp 1
network 1.1.1.0 0.0.0.255
network 192.168.1.0
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
Router_B コンフィグ
hostname Router_B
!
interface Loopback1
ip address 2.2.2.2 255.255.255.0
!
interface GigabitEthernet0/0
ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
!
router eigrp 1
redistribute static metric 100 1000 1 255 1500
network 2.2.2.0 0.0.0.255
network 192.168.1.0
!
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Null0
!
access-list 100 permit icmp any any
access-list 100 permit tcp any any eq www
access-list 100 permit tcp any any eq 443
access-list 100 permit tcp any any eq 8080
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
本日の回答 :
正解は【C】になります。
クラウドアクセス向けのACL制御を実施したが、Dynamic Routing(EIGRP)に対する設定が漏れていたため、NWの全断が発生してしまった。下記のCisco Configuration Guideを参考にEIGRPのフィルタについて切り分けを行うと、どうもEIGRPはNeighborに対してマルチキャスト通信を行なっているようなので、「224.0.0.10」を宛先にしたフィルタを追加することで問題が解決できそうです。
「NW区間には色々な通信が流れている」ので、フィルタリングに関連するトラブルはよく発生します。特にL3プロトコル(Dynamic Routing, IPSEC=ESP・ISKMPなど)に対するフィルタリングは考慮漏れが発生することも多く、見逃すとNW全断など、致命的なトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要となります。一般的によくわからないNWに通信フィルタやFWをセットする場合は、通信用件表と併せて、Wiresharkやプロトコルの可視化装置などで事前のトラフィックサーベイが実施される場合も多いです。
最近はクラウドをはじめとするブラックボックスなNWが多いですが、フィルタリングを検討する場合は、レイヤ4-7層の通信要件だけではなく、低レイヤ(2-3)に対する通信用件もきちんと精査してNW設計を行うことがとても重要です。
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