ネットワーク【3分】シンキング – VLANの数だけ冗長NWを作りたい(“HSRPの拡張機能”ってなに?)

Cisco
カモフラ<br>(管理人)
カモフラ
(管理人)

ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(3分でサクッと読める内容)となります。

本日のお題 :

ディストリビューション L3SW x 2のVLAN I/Fは全てL3となっており、HSRP構成となっている。また、社内ネーミングルールにて、【VLAN番号=HSRP番号】で統一する規則で採番をおこなっている。VLAN 310のHSRP番号に “310” を設定した際にエラーとなり、この番号を設定することができませんでした。本件の解決策を答えない。

  • A : standby track
  • B : standby version 2
  • C : standby group 2
  • D : サポート対象外(HSRP番号は 1-254 までサポート)

SW1-Dist コンフィグ
hostname SW1-Dist
!
vtp mode transparent
spanning-tree mode pvst
spanning-tree vlan 1-1000 priority 0
vlan 10, 310
!
interface Port-channel1
switchport mode trunk
!
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
!
interface GigabitEthernet1/0/23
switchport mode trunk
channel-group 1 mode active
!
interface GigabitEthernet1/0/24
switchport mode trunk
channel-group 1 mode active
!
interface Vlan10
ip address 10.10.10.1 255.255.255.0
standby 10 ip 10.10.10.254
standby 10 priority 105
standby 10 preempt
!
interface Vlan310
ip address 110.110.110.1 255.255.255.0
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4

!
end

SW2-Dist コンフィグ
hostname SW2-Dist
!
vtp mode transparent
spanning-tree mode pvst
spanning-tree vlan 1-1000 priority 4096
vlan 10, 310
!
interface Port-channel1
switchport mode trunk
!
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
!
interface GigabitEthernet1/0/23
switchport mode trunk
channel-group 1 mode active

!
interface GigabitEthernet1/0/24
switchport mode trunk
channel-group 1 mode active
!
interface Vlan10
ip address 10.10.10.2 255.255.255.0
standby 10 ip 10.10.10.254
standby 10 preempt
!
interface Vlan310
ip address 110.110.110.2 255.255.255.0
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
!
!
end

本日の回答 :

正解は【B】になります。

回答のポイントは「HSRPには Version 1 or 2 がある」を正しく理解する必要があります。HSRPのデフォルトは Version(1) であり、HSRP番号は 「0から255」までに制限されており、拡張する場合、Version(2) に変更する必要があります。(通常はコンフィグ投入時にエラーメッセージが出るので、すぐに気づくと思います)

HSRP Version(2) を使うメリットはどんな時でしょうか? 「HSRP番号を 0-4095 まで使いたい」、「IPv6でHSRPする」などが一般的であり、注意点は「仮想MACのフォーマットが変わってしまう」、「Hello message の Multicast addresssが 224.0.0.2 -> 224.0.0.102に変更される」ので、稼働中の機器に対してコンフィグ変更を行う際は事前に通信影響なども確認しておくことが重要です。

HSRP Version(2) が設定されている機器は普段あまり見ないと思いますが、コアスイッチなどL3NWを集約している機器ではよく利用しています。仮想MACやHello messageで利用するマルチキャストアドレスに多少の違いはありますが、動作としては Version 1 or 2 の違いをほぼ気にすることなく利用されています。ただ、IPv6を使う際は Version(2) の設定は必須となるのでこの点はご注意ください。

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