ネットワーク【3分】シンキング – BGPへ意図した通りにOSPFルートが再配布されない(なんで?)

Cisco
カモフラ<br>(管理人)
カモフラ
(管理人)

ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(3分でサクッと読める内容)となります。

本日のお題 :

AS(1)はOSPF経由でルートを取得し、AS(100)へ全てのルート情報をアドバタイスしています。現在、AS100-R3のBGPテーブルにはAS(1)の外部NW[10.10.10.10, 20.20.20.20]へ接続ができない事象が発生しています。本件を解決するためのベストアンサーを1つ答えなさい。

  • A : redistribute ospf 1 subnets tag
  • B : redistribute ospf 1 match internal
  • C : redistribute ospf 1 match external
  • D : redistribute ospf 1 match internal external

AS1-R2 コンフィグ
hostname AS1-R2
!
interface Loopback1
ip address 2.2.2.2 255.255.255.255
!
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
!
interface FastEthernet1/0
ip address 172.16.1.2 255.255.255.0
!
router ospf 1
network 2.2.2.2 0.0.0.0 area 0
network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0
!
router bgp 1
no synchronization
redistribute ospf 1
neighbor 172.16.1.3 remote-as 100
no auto-summary
!
end

AS100-R3 コンフィグ
hostname AS100-R3
!
interface Loopback1
ip address 3.3.3.3 255.255.255.255
!
interface FastEthernet0/0
ip address 172.16.1.3 255.255.255.0
!
router bgp 100
no synchronization
neighbor 172.16.1.2 remote-as 1
no auto-summary
!

!
!
!
!
!

!
!
!
end

本日の回答 :

正解は【D】になります。

回答のポイントは「BGPへのOSPFルート再配布(法則)」を正しく理解する必要があります。OSPF から BGP への再配布をキーワードなしで設定すると、デフォルトでは、「OSPF のエリア内ルートとエリア間ルート」だけが再配布されます。そのため、構成図のE2ルート(External Route)が再配布対象となりません。本件を改善するためには「redistribute」コマンドのオプション設定(match) + Internal, External = “全てのルート情報” が再配布対象のため【D】を選択することが正解となります。

初学者がよくミスしてしまう理由の1つに「BGPへ再配布する際には “match” キーワードを忘れてしまう」があります。OSPFをIGP(EIGRP, RIP)へ再配布する際には特に問題とならないのですが、OSPFからBGPへ再配布する場合「RFC 1403」にて特殊条件が定義されています。

ダイナミックルーティング関連で一番トラブルとなりやすいのが「再配布」です。今回のケースのようにBGPへ再配布する場合のみ「特殊設定」が必要になるなど、改めてコンフィグレーションガイドや仕様についてすぐに確認できるスキルを身に付けることが重要だと感じます。(そのようなスキルをゲットするためには、初めての設計や構成に不安がある際には実機やシュミレータでの確認が効果的です!)

おすすめの書籍 :

Cisco人気ブログのご紹介 :

皆様からのご質問について

本サイトでは皆様からご質問を受け付けております。ご質問には必ずご回答させていただきますので、まずは本ブログサイトの”お問い合わせ“より、ご連絡をお願い致します。

コメント