(管理人)
ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(3分でサクッと読める内容)となります。
本日のお題 :
EIGRP for IPv6を設定したところ、EIGRPプロセスが有効にならずルート情報の取得ができませんでした。本件の解決策を答えなさい。(解答を2つ選択)
- A : EIGRPプロセスを「no shutdown」する
- B : Passive-I/Fをセットする
- C : リンクローカルアドレスをセットする
- D : EIGRPプロセスに「ルータID」をセットする
Router_A コンフィグ
hostname Router_A
ipv6 unicast-routing
!
interface Loopback1
ipv6 address 2001:1::/64 eui-64
ipv6 eigrp 1
ipv6 enable
!
interface GigabitEthernet0/0
ipv6 address 2002:1::/64 eui-64
ipv6 eigrp 1
ipv6 enable
!
ipv6 router eigrp 1
shutdown
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
Router_B コンフィグ
hostname Router_B
ipv6 unicast-routing
!
interface Loopback1
ipv6 address 2001:2::/64 eui-64
ipv6 eigrp 1
ipv6 enable
!
interface GigabitEthernet0/0
ipv6 address 2002:1::/64 eui-64
ipv6 eigrp 1
ipv6 enable
!
ipv6 router eigrp 1
shutdown
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
本日の回答 :
正解は【A と D】になります。
回答のポイントは「EIGRP for IPv6 と IPv4の違い」を正しく理解する必要があります。下記のコンフィグレーションガイドを参照すると「EIGRP for IPv6 実装の制約事項」という項目があり、今回のケースでは「EIGRP for IPv6 プロトコル インスタンスが実行を開始するには、ルータ ID が必要」と「EIGRP for IPv6 にはシャットダウン機能があります。実行を開始するには、ルーティング プロセスを「no shut」モードにする必要があります」の2つを設定変更することにより、問題が解決できそうです。
プロトコルの実装はバージョンやタイプに応じてサポート範囲が変わる事がよくあります。今回のドキュメント(Cisco IOS Release 15.1S)の実装では「distribute-list prefix-list コマンドを使用してルートをフィルタリングできます」ただし「配布リストによるルート フィルタリングでは、 route-map コマンドの使用はサポートされません」などOSに依存して機能サポートが限定される場合もありますので、注意が必要です。(ハイエンド・ローエンド機器の違いでも実装差はかなり発生します!)
CCNA/CCNPに出題される問題は特定のOS・HWに依存しない形式なので、注意することは少ないですが、実際の現場でNW検証すると色々な機能が使えたり、使えなかったりはよく発生するトラップです。コンフィグを作るや変更する際のベストプラクティスとなりますが、事前にコンフィグレーションガイドをチェックする癖をつけた方がよろしいかと存じます。
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