ネットワーク【3分】シンキング – EIGRPでルートコントロールしよう!

Cisco
カモフラ<br>(管理人)
カモフラ
(管理人)

ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(3分でサクッと読める内容)となります。

本日のお題 :

R1は本番/開発NWへ通信する必要があります。ただ、回線帯域の都合で本番NW(11.11.11.11/32)へのアクセスは【R3】経由、開発NW(12.12.12.12/32)は【R4】経由に片寄する設計としたい。全てのルータ I/F ではEIGRPが実行されており、また今後もNWアドレスが増えることを配慮して最適な設計を行なってください。本件のベストアンサーを答えなさい。

  • A : distribute-list
  • B : offset-list
  • C : prefix-list
  • D : metric

R1 コンフィグ
hostname R1
!
interface Loopback1
ip address 1.1.1.1 255.255.255.255
!
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
!
interface FastEthernet1/0
ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
!
router eigrp 1
network 1.1.1.1 0.0.0.0
network 192.168.0.0 0.0.255.255
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!

!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
!
end

R2 コンフィグ
hostname R2
!
interface Loopback1
ip address 2.2.2.2 255.255.255.255
!
interface Loopback11
ip address 11.11.11.11 255.255.255.255
!
interface Loopback12
ip address 12.12.12.12 255.255.255.255
!
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.3.2 255.255.255.0
!
interface FastEthernet1/0
ip address 192.168.4.2 255.255.255.0
!
router eigrp 1
network 2.2.2.2 0.0.0.0
network 11.11.11.11 0.0.0.0
network 12.12.12.12 0.0.0.0
network 192.168.0.0 0.0.255.255
!
access-list 1 permit 11.11.11.11
access-list 2 permit 12.12.12.12
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end

本日の回答 :

正解は【B】になります。

回答のポイントは「NWアドレス単位でEIGRPメトリックをコントロールする」を正しく理解する必要があります。構成図(R1の show ip route 結果)から 2.2.2.2アドレス が等コストマルチパスとなっているため、I/FにメトリックをセットするのはNGであり、特定のNWアドレスに対してメトリック操作ができる【offset-list + ACL】をR4にセットすることにより、意図したNW設計とすることが可能となります。

EIGRP(メトリック)を設計するポイントは「特定の宛先ネットワークに対して、複合メトリック値の操作」が簡単に実現可能です。また、本件を実現する【offset-list】はEIGRP/RIPに対してのみサポートされるコマンドであり、ACLとの組み合わせによりNWアドレス単位でのロードバランス・片寄せ設計などのデザインが可能となります。

本番NWでは、利用するサービス(宛先ネットワーク)単位でWAN回線を片寄する設計はとても一般的であり、それを実現する手段としてEIGRP or BGPがよく利用されています。メトリックのコントロールで一番汎用性が高いプロトコルはBGPとなりますが、LANなどフラットなNWに採用すると運用ポリシーが複雑となってしまうため、今回のような【EIGRP + offset-list + ACL】がよく利用されます。新規NWをデザインする際に【OSPF vs EIGRP】で意見が割れた場合は、「メトリックコントロールの柔軟さ」なども配慮して選択するのはいかがでしょうか。

おすすめの書籍 :

Cisco人気ブログのご紹介 :

皆様からのご質問について

本サイトでは皆様からご質問を受け付けております。ご質問には必ずご回答させていただきますので、まずは本ブログサイトの”お問い合わせ“より、ご連絡をお願い致します。

コメント