(管理人)
ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(3分でサクッと読める内容)となります。
本日のお題 :
R1〜3はOSPFを実施しています。R1の[show ip route]を確認するとR3(3.3.3.3/32)への疎通ができませんした。本件を解決するためのベストアンサーを答えなさい。
- A : R2 Gi0/1を(192.168.2.2/28)へ変更
- B : R3 Gi0/0を(192.168.2.3/24)へ変更
- C : R2 OSPFへRouter IDをセットする
- D : R3 OSPFへRouter IDをセットする
R2 コンフィグ
hostname R2
!
interface Loopback1
ip address 2.2.2.2 255.255.255.255
!
interface GigabitEthernet0/0
ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
!
interface GigabitEthernet0/1
ip address 192.168.2.2 255.255.255.0
!
router ospf 1
network 2.2.2.2 0.0.0.0 area 0
network 192.168.0.0 0.0.255.255 area 0
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
R3 コンフィグ
hostname R3
!
interface Loopback1
ip address 3.3.3.3 255.255.255.255
!
interface GigabitEthernet0/0
ip address 192.168.2.3 255.255.255.240
!
router ospf 1
network 3.3.3.3 0.0.0.0 area 0
network 192.168.2.0 0.0.0.255 area 0
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
!
!
!
end
本日の回答 :
正解は【B】になります。
回答のポイントは「なぜ、OSPF経由で 3.3.3.3/32 の経路が取得できていないのか?」を正しく切り分ける必要があります。R2とR3のコンフィグを確認する限り、OSPFの設定には不備がなさそうですが、実機にて”show ip ospf neighor/interface”コマンドを実施するとR2<>R3区間でOSPFの経路交換が行われていないことに気づきます。構成図(R2<>R3区間のサブネット)を再確認すると、どうもR3 Gi0/0にセットされている IPアドレスのサブネットが /28 となっているため、このサブネットを /24 へ修正することにより、意図したNW設計となりそうです。
NWのトラブルシューティングはレイヤーの低いところから順番に確認することがセオリーです。レイヤーが低いというのは、L1層(ケーブル、ポートの差し違い)、L2層(VLAN/Trunk設定ミス)、L3層(IPアドレス/サブネット、Routing Protocol)の順に切り分けることが一般的です。Cisco機器の場合、L1層(show ip int brief)、L2層(show vlan, show interface trunk)、L3層(show ip ospf neighbor, show ip ospf interface)などのコマンドを活用して切り分けを行うとトラブル解決が早くなります。
NWを新規構築した際のトラブルは物理エラー or 単純な設定ミスが多く、そのトラブルシューティング能力には経験値がとても必要です。今回のケースのようにアサインしたIPアドレスのサブネットミスやVLAN番号のアサインミスなどは良くあることで、トラブルが発生してもあわてることなく、1つ1つ丁寧に切り分けを行うことが大切です。併せてNW構成図、アドレス管理表のメンテナンスなど日々の管理業務も抜け目なくアップデートしていくことが全体的なミスを抑制する上でとても大切となります。
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