(管理人)
ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(3分でサクッと読める内容)となります。
本日のお題 :
R1とR2はOSPF/EIGRPを実施しています。R1からR2(2.2.2.2/32)へアクセスする場合、どのルーティングプロトコル経由がベストパス(最適)となるのでしょうか。本件のベストアンサーを答えなさい。
- A : EIGRP(AD値が最も小さいため)
- B : EIGRP(AD値が最も大きいため)
- C : OSPF(AD値が最も小さいため)
- D : OSPF(AD値が最も大きいため)
R1 コンフィグ
hostname R1
!
interface Loopback1
ip address 1.1.1.1 255.255.255.255
!
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
!
interface FastEthernet1/0
ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
!
router eigrp 1
network 1.1.1.1 0.0.0.0
network 192.168.2.0
!
router ospf 1
network 1.1.1.1 0.0.0.0 area 0
network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
R2 コンフィグ
hostname R2
!
interface Loopback1
ip address 2.2.2.2 255.255.255.255
!
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
!
interface FastEthernet1/0
ip address 192.168.2.2 255.255.255.0
!
router eigrp 1
network 2.2.2.2 0.0.0.0
network 192.168.2.0
!
router ospf 1
network 2.2.2.2 0.0.0.0 area 0
network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
本日の回答 :
正解は【A】になります。
回答のポイントは「アドミニストレーティブディスタンス/ルータがベストパスを選択するための仕組み」を正しく理解する必要があります。今回のケースでは、EIGRP/OSPFの2つのルーティングプロトコルがセットされており、下記のテクニカルノートを参照する限り、OSPF < EIGRPの方が「デフォルトのディスタンス値」が低いため、EIGRP経由のパスがルーティングテーブルにセットされます。(※EIGRP経由の経路がダウンするとOSPFからルート情報が取得されます!)
NWが複雑になってくると色々なDynamic Routing経由でルート情報が取得されます。通常はルート情報の再配布にて経路コントロール(ベストパス)されるのが一般的ですが、一時的なNW統合を行う際などにAD値を意図的に変更して、経路を強引に優先させる設計もよく行われます。
AD値を変更するデザインとして最も有名な設定は「フローティングスタティック」です。Staticルート設定の最後に「150 or 200」とか数字をセットしされている理由は、Dynamic Routingがダウンした際にStatic設定が反映(代替)されるようなAD設計となっており、昔から鉄板なデザイン手法なため、実務でも活用したいテクニックです。
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