(管理人)
ネットワーク(特にCisco)が大好きな皆様へCCNA/CCNP/CCIE試験で問われる【お題】をQuiz形式で出題致します。また、本ブログではCiscoさんが無償で提供する【Packet Tracer】や【GNS3】を利用しての簡単なシュミレーションと実際の業務で役立つワンポイントなども織り混ぜながら、皆さんが楽しめるコンテンツ(３分でサクッと読める内容)となります。
本日のお題 :
社内NWのルータはOSPF(Area0)で接続されています。また、高性能+信頼性が一番高いセンタールータ(Center)は必ずDRとなるようにデザインされています。本件を実現するためのベストアンサーを2つ答えなさい。
- A : ip ospf priority 255
- B : ip ospf priority 0
- C : clear ip ospf process
- D : clear ip ospf traffic
Center コンフィグ
hostname Center
!
interface Loopback1
ip address 1.1.1.1 255.255.255.255
ip ospf 1 area 0
!
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
ip ospf 1 area 0
!
router ospf 1
router-id 1.1.1.1
log-adjacency-changes
!
end
Branch1 コンフィグ
hostname Branch1
!
interface Loopback1
ip address 2.2.2.2 255.255.255.255
ip ospf 1 area 0
!
interface FastEthernet0/0
ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
ip ospf 1 area 0
!
router ospf 1
router-id 2.2.2.2
log-adjacency-changes
!
end
本日の回答 :
正解は【A と C】になります。
回答のポイントは「OSPFにてDR/BDRが選出されるメカニズム」を正しく理解する必要があります。Cisco公式のコンフィグレーションガイドを参考にする限り、「OSPFドメインでは優先度(priority)が一番高い機器がDR」に選出されます。ただし、”ip ospf priority”コマンドをセットしただけでは、Centerルータは即時にDRとはならず、OSPFプロセスの初期化(Clear ip ospf process)を実施することにより、意図したデザインとなります。
OSPFにおいて、DR/BDRはLANセグメント毎に発生し、また、DR<>BDRとだけLSAを交換するため、ネイバー数を減らす効果があります。逆にDRとなっているルータがダウンするとOSPFドメインに収束が走り、通信断が発生してしまいます。(そのような問題を回避する目的で今回のようにDRを”高性能+信頼性が高いルータ”に固定したいはよく実施されます)
DR/BDRが選出されるメカニズムはとても重要：この順番で選出されます！
①プライオリティが最も高いルータ(DR)
②プライオリティが2番に高いルータ(BDR)
③プライオリティが同じであれば、ルータIDが大きいルータが選出
※プライオリティが”0″の場合、DR/BDRに選出されません(必ずDROTHER)
OSPFはメカニズムをきちんと理解することが重要です。特にエリアデザインと合わせてDR/BDRの選出は安定したNWを運用する上でとても大切な概念であるため、深く理解したいですね。
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